我々が普段携わっているチョコレートについて学ぶため、3月組と5月組の2班に分かれ、ピュラトス・グランプラス・ベトナム社のデモファーム、カカオ豆加工場、チョコレート工場へ研修に行ってきました。
2回に分けて研修の様子をご紹介させていただきます。
※ベトナム研修旅行レポート①はこちら→★
●チョコレート開発研究センター

研究開発センター正面
2日目はビンズオン省にある、ピュラトス・グランプラス・ベトナム社(以下、PGPV社)のチョコレート研究開発センター、チョコレート製造工場を視察しました。
ビンズオン省へは滞在拠点のホーチミン市からバスで東北方面へ移動します。

市街地には、高層ビルが建ち並んでいます
ビンズオン省は海外の企業誘致を積極的に行っており、PGPV社の工場の周辺にも、世界的に有名な企業の大規模な工場が多数ありました。
到着後、冷たいカカオドリンクやコーヒーを振舞っていただきました。一息ついたら、早速ピュラトス社が行っている、カカオ・トレースについて学んでいきます。

冷たいカカオドリンク。外が暑かったこともあり、大変美味しくいただきました!

映像も観ながら、PGPV社の行っている取り組みについて勉強します
カカオ・トレースとは、チョコレートとカカオ生産者の未来を創る、ピュラトス社独自のサステナブル・プログラムの事。
カカオ生産者への栽培技術支援を通じて、生産者の収入・生活水準の向上をサポートし、さらには、良質なカカオ生産と加工によりチョコレートの風味向上、品質の安定を図っています。
カカオ・トレースを通じて、カカオ生産者とチョコレートを愛する消費者の未来のために、高品質のカカオの長期的な安定供給を目指しているとの事。
現在、ベトナム、コートジボワール、フィリピンで実施しており、さらに世界へ広げていくよう活動しているそうです。
チョコレートに携わるものとして、自分にもできることがあるのではないかと、とても感銘を受けました。
※ピュラトス社のカカオ・トレースについての詳細は、こちらからもご覧いただけます。→★
その後、試作室や事務所、センソナリールームを見学します。
センソナリールームは味を調べるのに集中できるよう、隣の席とは板で仕切られていました。
4色のライトが切り替わるようになっていたのですが、光の色によっても味の感じ方に違いがあるということでした。
試作室にはオーブンやミキサーなど、様々な機械や道具が揃っており、素晴らしい環境が整っています。
画像はないのですが、オフィスも明るく清潔で、充実した環境で仕事をしている様子が伺えました。

センソ(知覚)ルームは隣と板で仕切られ、色で感じ方が変わるため、 白、黄色、ピンク、緑の4色のライトが切り替わるようになっていました。

広く、機械や道具が充実している試作室
●チョコレート工場

チョコレート工場入口
次は研究開発センターからほど近い場所にある、チョコレート工場を見学するため、バスで移動します。
異物混入を防ぐため、カメラの持ち込みは禁止で写真を撮ることは出来ませんでしたが、カカオマスをチョコレートへ加工していく様子を見学しました。

カメラの持ち込みはここまで。工場の中へは帽子と上着を着用し、エアシャワーを浴びないと入れません。
工場ではコンチングからテンパリング、型に入れて固め、ラッピングまでを行っています。
※『コンチング』とは、チョコレート作りにはとても重要な工程なのですが、あまり一般的ではありませんので、少し補足説明させていただきます。
ローストし粉砕されたカカオ豆を、強力な力で練り上げ、やわらかい粘土状にするのがコンチングという工程です。滑らかな口どけの良いチョコレートに仕上げるとともに、繊細な香りを生み出します。チョコレートの風味を決める工程になるので、コンチングの条件はメーカー独自で設定されています。
コンチングの機械はとても大きく、一度に3トンのチョコレートを練り上げることができ、なんと出来るまで24時間もかかるそうです!
テンパリングしたチョコレートを加工する工程では、見学した日は製菓材料としてのブロック状と、チョコチップ状のものを製造していました。工場内はとても清潔で、品質の管理もしっかりとされていました。
見学後、工場でも行っているテイスティングを試させてもらいました。
チョコレートの香り、味、テクスチャーに細かい項目があり、点数を付けます。日本のチョコレートはガーナ産が主流で、ベトナム産のチョコレートは希少なため、このテイスティングをとっても楽しみにしていました!

お待ちかねのテイスティング!上からダーク、ホワイト、ミルクチョコレートです。

香り、口どけ、味を、みんな真剣にテイスティングしてます。
ベトナムのチョコレートのフルーティーで華やかな香り、ベリーのような酸味がある味わいを堪能しました。日本から我々グランプラスで取り扱っているクーベルチュールチョコレートも持ち込み、食べ比べをしましたが、日本から持ち込んだチョコレートはナッツのようなコクがあり、ベトナムのチョコレートとの味の違いがはっきりとわかり、面白かったです。
工場の敷地内にはカカオの木が植えられ、たくさんのカカオの実がなっていました。
農園に植えられていたカカオの木は、収穫しやすいよう低木に剪定されていましたが、こちらはのびのびと育てられ、カカオの実も鈴なりになっていました!

みごとなカカオの木
●最後に
今回の研修で、カカオの栽培からクーベルチュールチョコレートになるまでの流れを学ぶことができました。
どの工程でも手間がかかり、大変貴重な食べ物だということを改めて感じました。
カカオを取り巻く状況は依然厳しいですが、カカオ農家の方も、チョコレートを愛する人も、みんなが幸せになれるような取り組みができればと思います。
現在、我々グランプラスではベトナム産のチョコレートの取り扱いはないのですが、いつの日か皆様のもとへお届けしたいと思っております。
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おまけ
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今回のベトナム研修旅行で訪れたホーチミン市周辺の観光スポットをご紹介します。
●マルゥのチョコレート

日本でも買えますが、ベトナムに来たなら是非訪れたいマルゥの路面店。 ドリンクやケーキも楽しむことができます。

店内にはオシャレなパッケージのベトナム産チョコレートがずらり。 店内にある工房では、実際に作っているところを見学できます!

個人的に、このシリーズがイチオシです!催事などの特別な機会以外、日本ではなかなか入手しにくいようです。
●メコン川クルーズ

ホーチミン市から車で約2時間移動した場所、ミトーではメコン川クルーズを楽しみました!
●ベンタイン市場

雑貨や民芸品、食品など、沢山の商品が並びます。 お気に入りのものを見つけられたら、値段交渉も楽しいんでください!
●イオン

お配り用のお土産はイオンで調達すると便利です! また、お惣菜やフルーツも珍しいものがたくさん並んでいて、眺めているだけで楽しい!
※住所等詳細は掲載を差し控えさせていただきます。正確な情報の詳細はガイドブック等でご確認ください。
情報は2018年5月のものになります。