我々が普段携わっているチョコレートについて学ぶため、3月組と5月組の2班に分かれ、ピュラトス・グランプラス・ベトナム社のデモファーム、カカオ豆加工場、チョコレート工場へ研修に行ってきました。
2回に分けて研修の様子をご紹介させていただきます。
●カカオ農園見学
1日目はベンチェ省にある、ピュラトス・グランプラス・ベトナム社(以下、PGPV社)のデモファームとカカオ処理工場を見学しました。
カカオは高温多湿の熱帯でしか生育しません。赤道近く、北緯20度から南緯20度のカカオの栽培に適した地域は「カカオベルト」と呼ばれています。
ベトナム南部に位置するベンチェ省は、カカオの栽培に適した気候を有し、肥沃な大地が広がるメコンデルタ地域です。
今回の滞在拠点のホーチミン市から、バスで南下し、カカオ農園へと向かいます。朝のホーチミンはバイクの利用が多く、その数に圧倒されます。
車窓から眺める景色は南に進むにつれ緑が多くなり、メコン川を望む景色は雄大でした。
バスを降り、ファームまでは徒歩で30分ほど移動します。
ファームまでの道のりには、バナナやジャックフルーツ、ブーゲンビリアなど、熱帯の植物が生い茂っていました。
今回農場で説明をしてくれたラプさんは、PGPV社の技術者で、カカオ農家の方に剪定方法や土壌の管理方法、害虫、病気の対策について教えているそうです。
ファームには、オレンジ色のカカオから、紫がかったもの、緑色など、様々な色のカカオの実がなっていました。
どうして様々な色になるのかというと、まず、カカオの基本は3品種、クリオロ種、フォラステロ種、トリニタリオ種になります。ベトナムで栽培されているカカオはほぼトリニタリオ種で、トリニタリオ種は、クリオロ種とフォラステロ種の掛けあわせの為、色々な色の実ができるそうです。
ちなみに、みどり色のカカオは、クリオロ種のと特徴が強く出ているとのことでした。
カカオの実を割り、種の周りの果肉を試食。甘酸っぱくて、チョコレートからは全く想像できない、フルーティな味でした。
枝先だけではなく、幹の太いところにも花が咲き、実がなっている姿はとても不思議で、「神々の食べ物」として珍重された歴史を感じる、神々しい姿でした。
●カカオ豆処理工場
デモファームの次は、カカオ豆を発行させる、カカオ処理工場へと移動します。
工場には、カカオポッドから取り出された状態のカカオ豆が運び込まれます。
カカオ豆は木箱に入れ、ジュートを掛けた状態で発酵します。
温度を管理し、時々かき混ぜながら、丁寧に発酵を行っていました。
発酵の工程が進んでいくと、色と香りが変化し、だんだん普段口にしているチョコレートに近づいていきます!
ギロチンと呼ばれる器具でカカオ豆を割り、品質をチェックしている様子を教えてもらいました。
発酵が終わったカカオ豆は乾燥し、清潔な工場で焙煎、粉砕、粉状へと加工します。
見学後、貴重なカカオの果肉で作ったジュースをいただきました!
翌日はPGPV社のチョコレート製造工場を見学しました。
その様子は、ベトナム研修レポート②でお伝えします。